ポール・ハリス語録その3(最終回)
「職業奉仕」について,
社会に役立つ人間になる方法はいろいろありますが,最も身近で,しばしば最も効果的な方法は,間違いなく自分の職業の中にあります。
(ナショナル・ロータリアン,1912年1月号)
事業を見れば,その人が分かります。社会的に大成功していても,事業では平気で不正をする人もいるかもしれません。しかし,よき事業人は,どのようなときも社会で不正なことはしないと思われます。
(ナショナル・ロータリアン,1912年3月号)
事業の実践方法には著しい変化がありました。ロータリーの強い影響が感じられるのはこの分野です。昔は,実業家は一つのこと,金儲けしか考えませんでした。今日,実業家は,顧客,従業員,同業者,仕入先,一般の人々に対して公正でなければなりません。時代は,事業にどれほどの力量があるかと挑戦しているのです。事業はその挑戦を堂々と受けたのです。
(This Rotarian Age)
「倫理」について,
法律,医療,事業に携わる人々が力を合わせて攻撃した結果,文明に害を与えてきた3大疫病,すなわち,流行病や熱病,洪水や戦争より邪悪な疫病,開闘以来人類に寄生してきた疫病が,やがて過去の遺物となると仮定しても公正と思われます。この3大疫病は,インチキ弁護士,やぶ医者,ペテン師としてその名が知られています。
(「専門職務の倫理の発展」1927 年シカゴ法曹協会記録)
「ロータリーにおけるポール・ハリスの役割」について,
ロータリーにおける私自身の働きに対する人々の見方を思うとき,私は,時々こう考えます。概して実際以上の功績がいつも私に帰せられてきました。一つの点で,実際よりはるかに勝る功績が私に与えられてきました。
初期のロータリーを神秘主義の雰囲気で包む傾向がおのずとあるように見えます。私には予言者的な先見の眼があり,素晴らしいことをする霊感や何か格別の才能があるかのように思われてきました。そのようなものは何一つありません。私が並外れてもっているのは,たった一つのことです。それは,変わらぬ信念とかなりの程度の決断力です。
(1925年シカゴ・ロータリー・クラブにおける国際的ロータリーの発展に関する談話)