相続法の改正
昨年の７月に相続法が，改正され，順次，改正法が施行されることになっております。この相続法の改正は，昭和５５年の改正以来，約４０年ぶりの改正です。この間，我が国では少子高齢化が進行し，家族の在り方が変容しております。今後の会長の時間では，相続法の改正のうち，重要な部分についてお話ししようと思っております。
相続開始時点において，配偶者が高齢であることが多く，配偶者の保護のための改正がなされています。本日は，「特別寄与」についてお話いたします。これまでにも，「寄与分」という制度がありますが，これは相続人であることが必要です。
「特別寄与料」（金銭による請求）は被相続人の相続人以外の親族が相続人に請求するもので，専ら，長男の親の面倒を見てきた長男のお嫁さんを念頭に置いたものとされています。昭和５５年に「寄与分」が制度化された際にも，長男のお嫁さんの貢献に報いることができないかが議論され，その復活版とも言える制度です。