皆さん、こんにちは。
　4回目にして、すでに会長の時間のネタが尽きてしまいそうです。
　今週は、10月からの消費税増税と軽減税率制度について、OA機器販売の観点からお話ししてみようと思います。
　今回の消費税増税、軽減税率制度で一番に思いつくのが、レジスターの更新です。税率の変更に伴い、レジスターの設定変更が必要になります。お土産屋さん等で使っている一般的なレジスターについての話です。内税か外税か、小数点以下の処理方法などによって、設定が変わってきます。商品1品ごとに、価格を設定しているレジの場合、内税で登録していれば全部の商品の設定を直さなければいけません。これがなかなか大変な作業です。さらに今回は軽減税率制度の導入も予定されています。通常の消費税率10%と、飲食料品などの軽減税率8%の2種類の税率になってしまいます。簡単にいうと2種類の税率を設定できるレジでなければいけなく、レシートには、どの商品が軽減税率の対象品目かを記載しなければいけないうえに、10%、8%の税率ごとに区分して合計した税込み金額も記載しなければいけません。現在販売している、シャープやカシオ、東芝などのレジスターはこの機能があるので、問題ありませんが、古いレジだと、機械本体を交換する必要があります。このため、機械代の3/4の補助金がでる制度もあります。
　この補助金制度ですが、テレビCMも流れていますが、レジだけに適用されるような内容となっていますが、ほかにも対象となるケースがあります。
　一つ目が今お話しした複数税率対応レジの導入等支援です。その中でも次の6つに分かれています。レジ導入型＝レジ本体を買い替える場合、レジ改修型＝使用中のレジを複数税率に対応できるように改修する場合、モバイルPOSレジシステム＝タブレットやPC,スマートフォンを利用してレシートプリンタと組み合わせてレジとして使う場合、POSレジシステム＝既存のPOSレジシステムを改修するか買い替える場合、券売機＝区分記載請求書に対応できるよう改修また買い替える場合、商品マスタの設定＝複数税率対応レジ等の商品台帳を設定する場合です。
　二つ目が受発注システムの改修等支援です。この中にも2種類ありますが、システムを開発販売する指定業者による代理申請は受付を終了しています。もう1種類は、中小企業等が自らPCAやオービックといったパッケージ製品を購入する場合です。対象となる製品が限定されています。
　三つ目が請求書管理システムの改修等支援です。これも指定業者が代理申請するケース、中小企業が自ら購入し導入するケース、ハードウェアと一体化した事務機器等を改修または導入するケースに分かれています。これも対象となる製品が限定されていますので、事前にホームページ等で確認する必要があります。
　ここまで、いろいろと説明してきましたが、自分の会社は飲食料品の販売をしていないから関係ない、と思った方もいるかもしれません。ところが、仕入れや経費に軽減税率8%対象品目があれば、すべての事業者が仕入れを税率ごとに区分する「区分経理」が必要になります。消費税の仕入額控除の適用を受けるためには、原則として区分経理をした帳簿の保存が必要です。
　例えば、これまで会議費としてお茶代と文具代を一緒に計上していたものが、10月以降は、会議費（お茶代）と会議費（文具代）と分けて計上しなければいけませんし、帳簿上でもお茶代のほうには軽減税率対象品目であることがわかるマークを付けなければいけません。他にも接待交際費として仕出し弁当を使った場合も、対象品目であることを示すマークを付けなければいけません。そのうえで、8%対象の経費の合計と10%対象の経費の合計を記載しなければいけません。さらに、消費税申告書の付表にも税率ごとに分けて記入する必要があります。
　これほど面倒くさいことをしなければいけないのであれば、軽減税率をやめてもらいたいと思います。経理処理をするのにも人件費がかかっており、特に中小企業や小規模事業所では目に見えない負担増となるはずです。先に紹介した補助金制度もありますが、レジスター以外の部分に関しては、効果は限定的なものになるような気がします。詳しいことはお近くの税理士にお尋ねください。
　本日も、よろしく願いします。