皆さん、こんにちは。水野社長、岩谷部長ようこそいらっしゃいました。先週のブラウブリッツの岩瀬社長に続き、新春スポーツ企画のようですが、本日はノーザンハピネッツのお話を楽しみにしています。自分自身も小学生のころにミニバスケをしており、二人の息子もバスケットボールをしています。プロスポーツチームとしてだけではなく、地域の活性化に向けた取り組みなども伺いたいと思います。
さて、12日に五箇公一さんという先生のお話を聞いてきました。国立環境研究所の先生で生物学や農学が専門の学問分野で、その中でも生態学・遺伝学・ダニ学といった環境分野が専門とのことでした。もしかしたら、毎週金曜日23時から秋田テレビで放送されている「全力!脱力タイムズ」で見たことがある方もいるかもしれません。革ジャンをきて、サングラスをかけている先生です。
2時間近くの講演で、とても早口でしたが、話の内容が面白く、分かりやすい内容でしたので、楽しんで聞くことができました。「生物多様性保全」という言葉はよく聞きますが、4つのステージがあるそうです。一つ目は「遺伝子の多様性」。例えばイヌという動物は犬種が違っても「イヌ」という動物であることに変わりはありません。犬種の違いは遺伝子の違いです。ヒトも遺伝子の違いがあるからそれぞれ見た目も中身も違ってきます。二つ目は「種の多様性」。様々な動物や植物などがいることが大事です。例えばバッタとカエルとトンビしかいないと、カエルが絶滅したら、トンビも生きていけません。様々な種があることでそれを回避できるのです。三つ目は「生態系の多様性」。例えば陸上の生態系や海洋の生態系などです。四つ目が「景観の多様性」。例えば森林や里山、湿原、干潟等です。
すべてのステージで多くの危機があります。そしてその多くは人間が引き起こしています。地球温暖化による気温上昇で生息域や生育環境が変化しています。人間によって持ち込まれた外来種により、固有種が絶滅しています。人間が作り出した化学物質などによる影響もあります。マグロやウナギの乱獲も影響しています。かつてはきちんと整備されていた里山も失われつつあります。これらを解決するためにSDGsのゴール13【気候変動】14【海洋資源】15
【陸上資源】があります。ただ、五箇先生の言葉を借りれば、これは絶滅する動物や植物がかわいそうだから、という意味より、生態系の頂点にいる人間がこれからもずっと生き延びていくために必要なことです。つまり、生物の多様性を守るのは「エコ」ではなく、実は人間の「エゴ」なのです。
このほかにもいろいろな話を聞くことができましたが、紹介しきれません。最後に一つ。五箇先生はそもそも「ダニ学」の専門だそうです。「ダニ学」という学問があることを初めて知りましたし、ダニが8本足で昆虫ではないことも初めて知りました。