会長の時間
阿部会長、第1回米山功労者表彰
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皆さん、こんにちは。先日、久しぶりに森岳温泉で宴会と温泉を楽しんできました。少人数でしたが、やはりロータリーの皆さんとの親睦はとても楽しかったです。本次年度の「がんばろう会」もあるようですので、楽しみにしています。
本年度の会長の時間では、当初SDGsに関連した卓話をしていました。最近ではSDGsのバッジをつけている方も多くみられるようになりました。いくつか紹介が残っている項目がありましたので、本日まとめてお話ししたいと思います。 |
ゴール2の「飢餓をゼロに」です。先日ラジオに秋田たすけあいネットあゆむの方が出演していました。食糧支援や無償学習室、親子食堂などの生活支援をしているNPO法人ですが、新型コロナの影響で仕事ができなくなり、今日食べる食品すらない一人親家庭の母親のメールが紹介されていました。飢餓というと、外国の特にアフリカなどの国のことを想像してしまいますが、身近にもそのような家庭があるのです。現状、個人からの支援が中心だそうです。秋田南RCも支援しているようです。
ゴール3の「すべての人に健康と福祉を」。今回の新型コロナウイルス感染症で、日本国内、特に秋田のように人口密度の少ない地域では、感染者や亡くなった方は少なく済んでいます。元々手洗いやうがいの習慣、マスクをつけることに対する抵抗感の少なさがよい影響を与えたのだと思います。南米等の貧困かつ人口密集地域では一度流行すると抑えようがないのだと思います。
ゴール4の「質の高い教育をみんなのために」。先ほど触れたNPOでは、無償の学習室も提供していますし、無料の学習塾にも取り組み始めています。小中学校が休校となる中、通塾できる子どもとそうでない子どもの差が開かないように支援しています。数名の先生が協力しています。
ゴール8の「働きがいも経済成長も」、ゴール9の「産業と技術革新の基盤をつくろう」。大都市を中心に秋田でも在宅勤務をする方が多かったと思います。「働き方改革」と銘打ち、様々な施策をしても進まなかったのですが、そうせざるを得ない状況で、一気に進みそうです。「仕事」というものの概念が大きく変わったのが2020年だった、と将来評価されるかもしれません。
ゴール10の「人や国の不平等をなくそう」。以前の会長の時間でも触れた、白人警官による黒人拘束死事件。日本で暮らしているとあまり実感はありませんが、根強い人種差別はまだ残っているようです。私自身、大阪に本社がある会社に就職して、新入社員研修の中に「部落問題」があったのに驚きました。気づかないところで、差別や不平等があるのかもしれません。
ゴール12の「つくる責任つかう責任」。生産や消費に関する責任を持たなければいけません。懇親会に出席しても、酒は飲んでもあまり食事には手を付けないことが多いです。大量にあまった食材を見るたびに心苦しく感じています。食品だけではなく、衣料品や機械なども使い捨てを見直すべきだと思います。
ゴール17「パートナーシップで目標を達成しよう」。生きていく中で様々な問題や課題には、自分一人では対処できないことも多くあります。一企業、一団体でもそうです。日本だけでは解決できない課題も多くあります。ロータリーの4つのテストで唱和していることをいつも心に置き、協力し合い、助け合い、励まし合って個や孫の代、その先まで、今よりもっといい世界、辛いことがあってもみんなが笑顔になれる世界にしていきたいと思います。
世の中は「アフターコロナ」を考え始めています。SDGsの達成期限に設定されている2030年、10年後に世界はどのようになっているのか、秋田はどうなっているのか、楽しみにしながら、少し無理をしながら、私もできるだけのことを頑張っていきます。
これで会長の時間といたします。本日もよろしくお願いいたします。
スピーチ:白沢会計
テーマ:「森友問題と不動産鑑定士」
不動産鑑定士が鑑定評価する不動産の価格は、そのほとんどが「正常価格」というもの。
これは、不動産取引価格が株式のようにオープンな市場を持たないことから、市場になりかわって、公正な価格を求める役目を不動産鑑定士に担わせたことで、売り手にも買い手にも偏らない適正な時価「正常価格」を評定する一般的な背景があるからです。
また、不動産鑑定士は「あるべき価格」を評価するのではなく、「ありのままの価格」を求めるので、不動産の体温計の役目を持っていると言われることがあります。
ところが、顧客は売り手か買い手のどちらかであることが多く、売りたい人は通常高く売りたいし、買いたい人は通常安く買いたいわけで、鑑定評価の結果(不動産鑑定評価額)に露骨な不満を見せる顧客も多数見てきました。酷い場合は料金をいただけなかったり、目論見との違いを理由にして音信がつかなくなることもありました。最も酷かったのは、鑑定評価書の改竄をされたケースがありました。これは担保価値の評価書でしたので、鑑定評価額が膨らむ形で顧客によって改竄されたものでした。
このように不動産鑑定士は顧客の欲望の渦の中に常に身を置いているといっても間違いではありません。ほとんどの顧客は条理をわきまえておられますが、たまには色々な人に遭遇します。
さて、森友問題の核心である敷地の価格は、どのように決定されたのでしょうか。
そこには、顧問先(クライアント)を持たない資格者として、不動産鑑定士の悲哀もちらつき、難度の高い国家試験をやっとの思いで取ったにもかかわらず、一部に希に見られる、専門職業家としての誇りとは正反対の忖度と阿りの中に、ある種の恐怖心も見て取れるのです。
不動産鑑定士としての尊厳に一杓の冷や水を浴びせたこの面妖な事件が浮き彫りにした、不動産価格評価の生業としての難しさの一端をお話しいたします。