スピーチ:富樫 美和子 様
社会福祉法人 聖園天使園
副園長 兼 里親支援専門相談員
テーマ:「里親制度について」
日本には実親と暮らせない子どもが約4万5,000人、そのうち約8割は乳児院や児童養護施設で暮らしています。
「里親」とは、親の病気や離婚、虐待などさまざまな事情によ
り、生みの親と一緒に暮らせない子どもたちを自分の家庭に迎え入れて一定期間暮らしを共にする人のことをいいます。「里親制度」は、児童福祉法に基づいて、里親となることを希望する方に子どもの養育をお願いする子どものための制度です。
秋田県内には令和3年度3月末時点では里親登録数は123名里親家庭で生活をしている子ど
もたちは36名おります。
私たちは里親支援機関として里親制度普及啓発・里親研修・里親登録・里親マッチング等の支援を担わせていただいています。里親になるためにはまずは、フォスタリング機関、児童相談所、里親支援機関へご相談いただき県の指定する研修を3日間受講していただきます。その後申請をしていただき児童相談所職員がご家庭に訪問し、生活状況の確認を行い、審議会で承認を受け登録なります。その後、委託児童とのマッチングが始まり、マッチングでお互いに安心して生活できそうだとなった場合、里親委託となります。その後も支援機関等が里親宅への訪問や電話相談、セミナーやサロンの開催を行い里親さんに寄り添い支援させていただきます。
里親家庭で生活することにより、「家族」というロールモデルを学び、特定の大人と『愛着関係』を築き、人間同士の信頼関係や絆、他者とのコミュニケーション能力や社会性を築く基盤になります。特に幼少期にこの愛着関係を築くことが、自己肯定感や心身の健康にとっての支えになります。ぜひ、「里親制度」を知って、子どもたちの未来へ向かう力を応援してくいただきたいと思います。