会会員の皆様こんにちは。本日は米山奨学生のチン・ティー・タンさんがお目見えです。彼女はこの春から秋田大学の大学院に入学する予定で、2年間の奨学生として最後のご挨拶となりそうです。ベトナムのことをお話しいただいたときの「アオザイ」姿はとても印象的でしたし、日本語も上手できっと素晴らしい社会人になるでしょう。いつまでもお元気で、たまには例会に遊びにおいで下さい。
　さて、今日は少しばかり卓話の時間にゆとりがありそうですね、久々のことです。
　魁新聞に「秋田舞妓会社の旧料亭改修ＣＦ目標1千万に到達」という記事がありました。そうです、当クラブの例会でも何度かお話した東クラブの水野千夏さんの事業がうまく行っているようです。「ＣＦ」はクラウドファンディングの略でクラウドとは「大衆」という意味です。水野さんは老朽化した料亭の建物を秋田舞妓の舞台にしようと役所や建物の所有者に働きかけ賃借し、ネットで出資を依頼して締め切りまで必要額の1,000万円を超える1,400万円を集めました。総事業費は5,000万円と聞いています。国の補助と銀行融資とクラウドファンディングでクリアしたわけで、これからは建物の改修も順調に進み、連休頃には秋田の新しい観光名所がオープンすることになりそうです。ワンダフル。
　若手の人々の活躍は他にもあり、羽後町西馬音内の古民家をワインバーにしようと進める地元の建設会社若手社長。秋田市の中古建物をリノベーションして、近隣の賑わいを再興しようとしている建築家。その他に田沢湖でのいぶりがっこ作りなど、様々な分野で活発な息吹が吹いています。
　ところが、先日とある会で見聞きしたことはとてもショックなことでした。
　東北地方の法人所得の2003年から2013年までの推移で、他県は＋85％（福島県）等というプラスの数字も見られるのに、秋田県だけが▲3.5％という結果。これにはいささか落胆しました。
　その時の講師曰く、その原因の一つに人材の枯渇があると主張していました。それに行政サイドの思考停止も問題だと主張されておりました。40年間も同じ場所で同じ人と仕事していればそうなるのだそうです。なんでもそうですが、やはり「品質管理」と「イノベーション」は発展の両輪なのですね。
　次に、新年度の予算が出そろい、おもだった自治体の新規性ある事業予算を教えて下さいました。●秋田県は「動物愛護センター設計」4957万円。設計費ってずいぶんかかるものなのですね。●秋田市は「ハピネッツ支援」360,000,000円（半額は県の補助）泉新駅調査594万円。0から挑戦した水野勇気社長に大きな支援になるでしょう。ただ、なぜバスケットなのかという議論もあるようです。私はあれだけのリスクをとった彼を文句なしに賞賛したいと思います。●大館市は市長が変わって初めての予算です。「職員研修派遣」1,226万円。「シンクタンク開設」460万円。どんなシンクタンクができあがるか、知りたいですね。
　●大仙市「角間川　川の町歴史交流館整備」5,100万円。「蔵」ばやりですね。
　「国際花火シンポ」5,000万円。やりましたね。このような中で、横手市では「アリーナ建設」90億円というのが目立ちました。市の負担は26.4億円だそうですが、運営費は年間1.2億円かかるらしく、ハコモノ事業の典型かと思われます。
　予算のうち、人件費などで構成される「義務的経費」は秋田県が3,149億円（当初予算に占める割合52％）秋田市682億円（52％）大館市150億円（47％）大仙市193億円（42.3％）と多くを占めます。講師は「予算は地域の抱えている課題と首長の理念が現れる」と説いていました。
　ロータリークラブもそろそろ新年度の予算と事業が気になりだした頃でしょうか。伝統が重きを成す組織ですが、ワンステップ上へ向けて頑張ってみましょう。