<ニコニコBOXについて>
はじめにニコニコBOXの意義とは?
ニコニコBOXは、会員の喜び事、祝い事あるいは、ちょっとした失敗など、身の回りの出来事や近況報告、その他お礼や感情表現など様々な理由を付けて、会員が自発的に寄付をするもので、別に何の規定もあるわけではありません。要するに、ニコニコBOXの名が示す通り、寄付する会員もニコニコしながら寄付し、集まったお金は、クラブの奉仕事業や寄付などに使用します。金額については、善意のお金ですからいくらでも良いのですが、喜びが大きいときは多額のニコニコもあります。多くの会員からいろいろの理由で何回も寄付してもらうのが、ニコニコBOX本来の姿といえると思います。
ニコニコBOXの生い立ちは?
ニコニコBOXというのは世界的な慣例ではありません。世界中どこの国にもあるというものではないのです。アメリカを始め諸外国にはニコニコBOXに類するものとしてFine
BoxとChest Boxがあります。ロータリーが創設されて間もなくの明治38年(1905)第3回例会の時に、欠席、早退者は50セントの罰金を科す規定が採用され、それを自主的に投入する罰金箱(Fine
Box)が設けられました。またChest Boxは明確な目的を定めた募金箱です。ここら辺がニコニコの原型のようですが、目的を定めずに募金をする日本のニコニコBOXとは少し趣旨が異なります。諸外国では奉仕活動をするための資金集めは、会員の了解を得た上で目的を定めて、その目的のために帽子を回すのがのやり方のようです。
それでは日本におけるニコニコBOXの由来は?
日本で、ニコニコBOXの慣例ができたのは、昭和10年(1935)のことでした。関東大震災の被災孤児たちを東京ロータリークラブの人たちが東京ロータリーホームという孤児院で世話をしていましたが、その子供たちを当時オープンした多摩川園という遊園地に連れていくための資金を集めるために、会員の関幸重という人が一計を案じ、ありあわせの段ボール箱を持って、例会場を回ってお金を集めたのが最初という説や、昭和11年(1936)大阪RCがアメリカと同じような罰金箱を設けておりましたが、仏頂面で罰金を出すような行為は好ましくないので、ニコニコ箱と呼ぶように提案し、それが定着し、以後我が国ではニコニコ箱やスマイリングボックスと呼ばれ、投入する名目もニコニコに値する会員の慶事を他の会員にも共に喜んで貰うという趣旨に変わったと言われています。
さてそれでは、ニコニコBOXの使い道は?
ニコニコBOXの使い道は、会員が受益者とならない社会奉仕、国際奉仕委員会及び特定分野の委員会費用であって、主として団体奉仕活動の資金や様々な寄付事業として支出されるものです。したがって、いっぱい集まったから、クラブの皆さんでバーッと行きましょうというような、会員のために支出されるものではないということです。
最後にニコニコBOXメッセージの紹介について
基本的には、提出者全員のニコニコを読み上げますが、発表順番はロータリー歴の浅い会員を優先し、多数のニコニコで閉会時間に支障がある場合は、例会で発言機会の多い会長、幹事のメッセージは割愛するクラブもあるようです。
毎回のように、何の気なしに行っているニコニコですが、調べてみると長い歴史の上に世界との違いや、日本ならではの習慣の上にある意味深い行為であると感じました。