会長の時間
副会長 : 阿部 大助
こんにちは。石川会長が出張のため、代理でスピーチをさせていただきます。初めてのことですし、13日の金曜日なので、緊張していますが、大安でもありますのでよろしくお願いします。
当社では毎年千秋公園で花見をしています。当社社員、取引先の方や家族を含め、20名くらい、お昼に本丸で開催しています。今年は21日の土曜日に行う予定です。3月末の暖かさで、21日にはすでに散ってしまっているかな、と話していましたが、ここのところの寒さで開花予報は16日になっているようです。毎年寒い思いをしながら、お酒と料理と桜の花を楽しんでいます。今年は、観桜会当日に暖かくなることを心待ちにしています。
さて、先日EQセミナーというものを受けてきました。皆さんの中でEQという言葉を聞いたことのある方、いらっしゃいますでしょうか?IQという言葉は聞いたことがあると思います。IQは知能指数です。これに対しEQは感情知能あるいは感情指数といわれています。私たちが意思決定する際、「最善の結果に結びつくように、思考と感情を調和させる能力」がEQと定義されています。多くの人が「何かをするときは感情をドアの外に起きてくるように」と教えられてきました。私もそうでした。EQを研究している組織では「効果的な意思決定や動機付けに感情は欠かせないものである」という前提に立っています。EQを上手に活用できると高いパフォーマンスを維持しながら周囲の人々を動かしたり、上手にコミュニケーションをとったりすることができます。また、本当に重要なことに注意を向けることができるそうです。
リーダーの役割の一つに「チームメンバー一人ひとりの能力の総和を超えた総合力をチーム全体で発揮する」ことができるようにすることがあります。そのためには個々のメンバーが自分自身の能力を最大限に発揮しようとすることが必要です。
セミナーに先立ち、78問の質問に答えます。それぞれの設問に、「あてはまらない・あまりあてはまらない・どちらでもない・だいたいあてはまる・あてはまる」から選択して答えていきます。セミナー当日診断結果が渡されるのですが、それを見て愕然としました。私のEQが異常に低かったのです。自己認識、自己管理、自己の方向付けという領域があり、それぞれの領域のレベルが「未開発」「開発過程」「機能」「熟練」「エキスパート」で診断されます。なんと、私は1つの領域が未開発レベル、2つの領域が開発過程レベルでした。50歳になったというのに、まだまだ伸びしろがある、といえば恰好いいのですが、これまでの教え「感情は外に」を忠実に守ってきた結果だと思います。
「あなたは危険にさらされているかもしれません。あなたは、感情を理解したり、感情を効果的に管理したりすることが難しいようです。あなたは自分のリーダーシップや人間関係で難しさを感じているのではないのでしょうか。」と書かれていました。診断結果のレポートを見て非常に落ち込みました。
特に低かった項目が自己認識の領域にある自己パターンの認識という能力です。「自分自身の行動に気づいていないことが多く、行動に一貫性が見られにくいです。無意識のうちに自分勝手に感じる振る舞いを取ってしまうことがあるのではないでしょうか。自分自身の行動や、引き起こしている混乱が、分かっていないことがあるようです。この認識不足の言動から、周囲の人は、あなたのことを融通のきかない、無神経な、あるいは先入観や偏見を持った人と、批判する可能性があります。」という診断でした。
また多少良かった項目が自己の方向付けの領域にある共感力の活用という能力でした。共感力は周囲の人の感情や経験に対して偏った判断をせず、また寛容な態度を示し、人との繋がりや気づきを高めることです。
通常、この共感力の活用能力がいい人は自己パターンの認識も高くなる傾向があるそうですが、私の場合は「あまり忙しくないときは他人の感情に気をつかうことができるけど、自分の感情は全く分かっていないし、忙しくなってくれば他人の感情にも気が向かなくなる」ようです。還暦まであと10年ありますので、このレポートをいかして伸びしろを伸ばしていきたいと思います。
話は変わりますが、今週月曜日に人間ドックに行ってきました。こちらの診断結果レポートは愕然としたり、落ち込んだりしないようは結果であればいいのですが。
つたない話にお付き合いいただき、ありがとうございます。
最後に会場の4つの缶へのご協力、よろしくお願いします。
職業奉仕委員会の時間
ゲストスピーチ:石井 政人 様
秋田ゼロックス㈱
テーマ:「紅綬褒章体験談」
NHKのネットに載った小さな記事から2017年3月19日(日)午後4時半すぎ、秋田市楢山川口境を流れる太平川で、川に落ちたサッカーボールを取りに入った小学6年生の男の子が溺れました。
このようすを近くで散歩していた70歳の男性が見つけ、近くにあった角材を浮き輪がわりに投げ込みました。
さらに、居合わせた別の60代くらいの男性が川に飛び込み、角材を使いながら、男の子をおよそ20メートル離れた岸まで運んで救助したということです。
溺れた場所の深さは2メートル以上ありましたが、川に飛び込んで救助した男性はその後すぐに、現場を立ち去ったということです。
この記事は助けた次の日3/20(月)春分の日に載ったネット記事です。その時は多分新聞、TVに出ていなかったと思います。
助けた前日は蔵開きに行き酒ざんまい、助けた当日は発売されたばかりの任天堂スイッチでゲームざんまい、自堕落な生活を送っていましたが、これでは良くないと思い、ゲームを止めて週1,2回やっているジョギングに出かけました。ちょうど3km位走った所、100m先に男性が川向うの子供に何かしているような動きが見えました。近づくと溺れている子供とそれを助けようとしている男性だとわかり、何んとかしなくてはと、まず周りにある浮きそうな物バケツとかを川に投げ込みましたが、川向こうには届かず他に何か無いか探そうとした時男性が角材を見つけ、大、小2本の角材を子供にぶつからない様投げました。子供に向かってしがみ付くよう叫ましたが、子供には聞く余裕も無くただ溺れているだけしかできない感じでした。「行くしかないか?」と思い、ランニングシューズ、ウィンドブレーカーを脱ぎ、携帯を置いて川につま先から入りました。
入った瞬間頭まで水をかぶり足がつかない事がわかりました。川から顔を出して「しゃっけー」と叫びながらまずは浮かんでいる角材小を取りに泳ぎ、子供に角材を渡し「つかまれ」と叫びましたが子供はつかんだ角材を捨て、こちらにしがみ付いてきました。子供に「離れれ、二人とも死ぬぞ」と言って子供を離し、すぐそばにある角材大を取りに行きました。その時子供に「助けてください。」と言われたのが耳からはなれません。こちらがどう返答したかは思い出せません。なにかは言っていると思いますが。角材に子供と一緒に捕まって岸までなんとか着き、岸には他に老夫婦がおり子供の引き上げを少し助けていたと思います。老夫婦の手には携帯電話がありこちらに向けていたような気がしました。子供には「助かって良かったな」と言ってその場を去りました。ずぶ濡れの状態で向こう岸にある靴、ウィンドブレーカー、携帯を回収しに走りました。最初に救助していた男性が靴、ウィンドブレーカー、携帯をもってこちらに来てくれました。お互い子供が無事な事を喜びその場を去ろうとしたところ、名前を教えて欲しいと言われ、言う、言わないやり取りがありましたが名前を伝えました。走って家に戻る途中救急車の音が聞こえ、家に着いてまず風呂に入りました。
次の日朝7時30分ころ警察から「太平川でおぼれている子供助けた、牛島近辺に住んでいる男性の石井さんを探しています」と電話があり、自分がそうだと告げると色々聞かれ、後々考えると現場検証等があり、その場を名乗らず立ち去るのも色々なところに手間をかけさせる事になるのがわかりました。娘が朝起きてくると、ネットの2chにお父さんと思われるスレッド書き込みが立っていると言われ見てみると、60代男性川に飛び込み救助、名乗らず立ち去るとあり、冒頭に話した記事を元に色々書き込みされていました。
60かよ…と嘆きながら読んで見ると、「カッパあらわる」、「水浸しの不審者が寒空に走っている」、「ジジイ頑張たな」、「俺が助けたけど何か…」など、好き勝手に書かれていました。
私しかしらない話なので何を勝手な…と笑いながら見ていました。
晩に子供の両親からお礼をしたいと連絡があり、助けた子供と一緒に菓子折りをもって家に来ました。子供は低体温の疑いもあるので様子見で病院に一日入院し、大丈夫と言う事で無事退院できたと報告がありました。この時点でまだ年齢不詳でしたので相手は60代男性と思い込み、さなずらとか饅頭などけっこう年配の方がよろこびそうなお菓子の詰め合わせを頂きました。
火曜日の朝8時15分ころ小学校の校長、教頭が来ていたそうです。60代男性とまだ思われていましたので8時15分位に家にいると思ったのでしょう。
泳ぎに関してですが、2年位前からかなり不定期にジムに行っており室内ランした後プールで泳いでいたのと、他の母さん達に混ざって水中エアロビを2回ほどやった事があり、その中で、発泡スチロールの棒(プールスティック)を使って泳いだ事があるので、角材があれば浮くだろうと思ったわけです。3キロ位走って体があったまり(室内ラン)川(プール)角材(プールスティック)条件整ったって事でしょう。
ジムでやっていた事がピタッとあてはまりました。朝の情報番組で、外で10分間体を動かして一番体が温まるのは?と三択があり①ウォーキング②ジョギング③筋トレとあり正解は②ジョギングでした。①ウォーキング思っているほどは運動量が多くなく③筋トレは部分的に温まる全身が温まるのはジョギングでした。他に溺れている人を救助して助けにいった人の生存率は25%とありました。
もしその事を先に知っていたら怖くて体が動け無かったかもしれません。
全てタイミングが良かったのでしょう。ただ第一発見者の角材を見つける事が無ければ、どうなっていたかはわかりません。
溺れた場所が10数メートル上流側だったら浅瀬になっており、溺れる事無く濡れるだけで済んだのですが。
普段ランニング用の時計をしています。これが便利な時計で防水、GPS、心拍計、スマフォと連動などの多機能時計です。当日この時計をしていましたのでGPSがトレスしネットで自分の走った場所を時間、気温を地図に表示してくれます。
その日は4時18分に走り始めて気温が6度だった事を今でもクラウドで保存してくれています。
ネットで走ったコースを見て見ると川を横切っているのがわかります。救助した本人とだという証拠にもなります。
第一発見者の方の話だと、溺れた子供と一緒に遊んでいた二人はボーと見ていて助けても何も言わず、ただ立っていたそうです。助けた時も二人はボーとしているように見えました。やはり目の前の出来事に現実的な対応ができなかったと思います。
助けた自分の方でも冷静に対応出来ていなかったと、後で思いました。それは自分が救助した場所の後ろ100mに消防署があったのです。いつも走っているコースなのにとっさの時は思い浮かぶ事ができませんでした。119番通報も思いつきませんでした。
救助から8日後3/27秋田市城東消防署で表彰を受け、TV、新聞にのりやっと51歳男性になりました7/22秋田県消防大会で知事表彰だったのですが、知事欠席の少し残念な思い出に残る表彰でした。知事欠席理由は後で知る事になりましたが、昨年自ら減俸した、他県へ行って何かをしていた為でした。
8月末には褒章受章者の内定を頂きました。
内定して数週間すると公式な発表前なのにかなりの数の通販カタログが送られてきます。内容は勲章、賞状入れる額とかお礼の品、泊まるホテルなどの案内です。
10/27新聞3社、11/2NHKから取材を受けました。
取材する方はもっと体を鍛えていそうな人を想像してくるようで、まあ、たしかにスポーツマンには見えませんが。取材されている方たちは、常に体を鍛え毎日走っています的な答えを望んでいたようですが、私の趣味の第一番目は音楽鑑賞、今でもCDレコード買っていますし、2番は映画、3番か4番に週一のジョギング、水泳は年数回と答えると記事の内容に困ってしまうような感じがありました。
第一発見者の初動が無ければ、どうなっていたかわからないと、力を込めて必ず話をするのですが取材された中で編集カットされてしまう箇所です。本当に第一発見者の方がいなければどうなっていたかと今でも思います。
11/3新聞TVでの公式発表発表前後に祝電など多数頂きましたが「先生におかれましてはとか、長年の功績をたたえ」など見当違いな祝電も頂きました。
11/6(月)県庁で知事伝達式がありそこで知事より紅綬褒章を頂きました。
その後の東京の伝達式、皇居での拝謁は希望者のみの参加です。
断る理由もありませんので11/15(水)東京麹町の総務省消防庁の伝達式に出席しその後バスで皇居へ移動、皇居春秋の間(一般参賀の時にいらっしゃる所の真後ろ)で天皇陛下に拝謁。配偶者一人同伴できます。
妻が同行しました。他にも沢山叙勲受章者はいたのですが紅綬褒章の四人に対して特別に陛下からお言葉をそれぞれ掛けて頂く名誉を体験しました。人生で一番緊張しました。
帰りは陛下からのお土産ですと、係の方から冊子とお菓子を頂きました。園遊会でも同じお土産が出ているそうです。
次の日
11/16総理官邸で総理表彰総務省に行き公用車に載って総理官邸へ。入口は狭く、セキュリティが厳しかったです。中に入ってからも勝手に動かれません。
ちょっとでもウロウロしているとセキュティの方が近づいて来ます。組閣発表時に各大臣が階段に立って集合写真を撮る場所があったのですが、自分がそこに立っている写真を撮って欲しいとお願いしてみたのですが当然却下されました。まず中の撮影はNGです。総理官邸は配偶者同伴できませんでした。
安倍総理から直接表彰状を頂きました。気さくにツーショット取りますか?と話しかけてくれました。
この一連の行事はすべて自腹で有給を取っての行動です。市、県、国から頂けるものは、ほぼ賞状と勲章です、後名誉とも言われました。東京でちょっと贅沢をしたのもありますが、旅費、服代、お礼等で二人ハワイ旅行に行ける位かかっています。
小さな記事からこんなに沢山表彰される事は想像できませんでした。ここでお話している事もそうです。
これも第一発見者の方が私の名前を聞いてくれた事、秋田市消防やそれに関係していた方々が知らないところで色々働いてくれた事により頂いた身に余る名誉でした。貴重な体験ができ本当に感謝しております。
家族はもちろんの事、会社の上司、会社の同期や同僚、友達など他にも沢山の人から祝福して頂きました。
とても心が豊かになる事ができました。
以上長々とした話を聞いて頂きありがとうございました