ロータリークラブが,1905年2月23日に創立されてから,ロータリークラブのエンブレムを決めることなるのですが,当時,例会の会場を会員の事務所で持ち回ることから,ロータリーというイメージと当時のアメリカで一般的な乗り物であった馬車のワゴン・ホイールのイメージから,車輪を基本とすることに反対する者はなかったようです。
ある時の例会で,印刷屋のハリー・ラグルスが,エンブレムのデザイン製作を依頼され,彼は商売道具の中にある多数のワゴン・ホイールのカットから,極めて平凡なものを選び(①の図案),翌週,会員に示したとき,あっさりと全員から賛成を得られたのですが,会員は特に関心を持っていたわけではなかったと言われております。
その後,モンティ・ベアが泥よけをつけたり,車輪が回って砂埃を立てている様をあしらったりしたものを製作していますが,誰かが,車輪が止まったままで動かないのは,同じ状態にあるロータリークラブを象徴しているようだとちょっかいを出したのです。そのちょっかいを受けて,モンティ・ベアは何とかしたいものだと答え,1910年ころから,泥よけを外したりした図案を考えたのです(②の図案)。
1922年に,全てのロータリークラブはロータリアン専用のエンブレムとして単一共通のデザインを採用すべきだという結論に達し,1923年に現在の24の歯と6本のスポークによる歯車が国際ロータリーに採用されました。このデザインについて,エンジニアのグループから,この歯車は機械工学的な観点からは不安定であり,歯車の中心に動力伝達用シャフトに連結するための「楔穴」がないとうまく回らないだろうという助言があり,この楔穴が追加され(④の図案),その後,1929年には,ゴールドとブルーの色彩も決まり,現在,私たちが使用しているエンブレムになったのです。
歯の数やスポークの本数については,1日24時間いつもロータリー会員が連携して,世界を変える力を生み出すという説明やスポークの数は6大陸を表すとかの説明がありますが,真偽は不明です。
24個の歯は,個人ではなくロータリークラブを表しているという説明が有力です。ロータリークラブが連携し協働して奉仕の理想を実現する力が生まれるという考え方に繋がるものです。この際,会員各位のエンブレムをじっと観察して,思いを巡らしてはいかがでしょうか。