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第1266回<今年度第5回>2018年8月3日(金)


 会長の時間
会長 : 木元 愼一

 本日は,成年年齢についての民法改正についてお話いたします。
 我が国の成年年齢は,明治9年から20歳とされております。現在の法令の根拠は,民法第4条です。この4条の規定が改正されて成年年齢が18歳に引き下げられました。民法の改正に先立って公職選挙法の選挙権年齢などが18歳に引き下げられ,世界的にも成年年齢を18歳とすることが主流となっていることが主な理由です。この民法改正は,2022年4月1日から施行され,この2022年4月1日時点で,18歳以上20歳未満の方(2002年4月2日生まれから2004年4月1日生まれまでの方)はその日に成年となります。2004年4月2日生まれ以降の方は,18歳の誕生日に成年となります。
 18歳になれば成年となるのですが,法律的には,親権に服さないことになるので,単独で様々な契約を締結することができることになります。そこで,成年になったばかりの18歳,19歳の方は,単独で各種の契約を締結することができますが,未成年であることを理由とする取消権を行使することはできなくなり,悪徳商法の暗躍が心配されるところです。そのための対策として,成年になる前の学校における消費者教育の充実や消費者契約法の改正などが重要です。
 民法改正により成年年齢が18歳になっても,飲酒や喫煙に関する制限は20歳が維持され,競馬,競輪,オートレース,モーターボート競走の年齢制限も20歳のままです。これらの年齢制限は健康被害への不安やギャンブル依存症対策などによる制限で,民法の改正理由とは違うものだからです。
 成年年齢に関する民法改正に合わせて,女性の婚姻開始年齢が16歳から18歳に引き上げられました。社会・経済が複雑化した現代社会において,社会的・経済的な成熟度に特段の男女差はなくなっていることから,男女の取り扱いの差を解消することにしたものです。高等学校進学率が98%を越えている現状を踏まえ,婚姻には少なくとも18歳程度の社会的・経済的成熟が必要であるとの視点から,女性の婚姻開始年齢を18歳に引き上げることになりました。この民法改正も2022年4月1日から施行されます。
 ところで,離婚に際して,子の養育費について,「子が成年に達するまで養育費を支払う」との約定がなされていることがありますが,この場合の「成年」とは何歳になるのでしょうか。
 養育費を何時まで支払うのかの基準としては,一般的に,①高校卒業時まで,②成年に達するまで,③大学卒業時まで,の3つの基準があります。①や③のように卒業時までとするのは,何らかの事情によって卒業の時期が遅れることに備えたものです。②の成年に達するまでというのは,約定を締結した時の民法の成年年齢が何歳なのかにより決せられることになります。成年年齢が20歳の時に,成立した約定では,「20歳まで」ということになります。


 会員増強委員会の時間
スピーチ:小林会員増強委員長
テーマ:「特例事業承継税制のお話」
平成30年4月1日から特例事業承継税制が施行されています。
 なにやら難しい名称の税制ですが、会社経営者の方々には大変メリットのある税制ですので、その存在だけでもぜひとも知っておいていただきたいと思います。

この税制を簡単に説明すると

①今後5年以内に特例承認計画書を作成提出する。
②10年以内に実際に承継を行う。
 (自社株を承継者に贈与する)

そうするとどうなるかというと、
   
③承継時の贈与税・相続税が納税猶予となる。

となります。

実は特例事業承継税制の他に従来から事業承継税制はありました。しかし、その適用要件は非常に厳しいもので、私の顧客でも過去に3件の事業承継税制の認定を受けましたが、実際に贈与・相続の段階でこの特例を受けることはありませんでした。

当時この特例認定の窓口は経済産業省でしたが、認定を受けるまで経済産業省の担当者と何度もメールのやり取りをして大変な思いをしました。認定を受けた後、実際にはこの特例を受けないで相続税の申告をしたものですから、経産省の担当者から、何故特例を受けないのかとの問い合わせが何度かありました。全国的にも認定は受けたが特例の適用を受けないという事例が沢山あったようです。

要するに適用要件が厳しすぎたのです。その厳しい要件が今回の特例事業承継税制ではほとんど無くなったものですからぜひとも皆さんにお勧めしたいのです。
ではどう要件が変更されたか、

①対象となる株式数には2/3の上限と納税猶予は80%であった。
 ~これが上限は撤廃、納税猶予は100%
②一人の先代経営者から一人の後継者へのみ。~これが複数の株主から後継者最大3人へ
③5年間で平均8割以上の雇用維持~これが8割未達成でも可能に
④自主廃業・売却の場合承継時の株価もとに贈与税・相続税計算
 ~これが廃業・売却時の評価額をもとに計算。

このような内容です。さて、この特例は平成35年3月31日までに特例承認計画書を提出することが大前提です。それが過ぎますと従来の要件が厳しい事業承継税制が適用されることになります。特例承認計画書を提出していても必ず10年以内に贈与する必要はありません。まずはこの特例承認計画書を作成して提出することをお勧めします。
 但し、この特例は相続税の納税猶予の規定ですので、自社の株価評価額が0円の場合はこの特例ではなく単純に贈与してしまうのが得策かもしれません。



 幹事報告

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平成30年度 全国高等学校定時制通信制生徒生活体験発表会
 秋田県大会の後援名義使用、表彰盾授与並びに審査員派遣依頼
  開催日 10月17日(水)
公益財団法人ロータリー日本財団より確定申告用寄付金領収証
 2017~2018年度ロータリー財団へご寄付いただいた領収証です。
 同封の書簡にも記載しておりますが、再発行できませんのでご注意下さいますよう
 お願い申し上げます。



【出席報告】
例会日 会員数 出席数 欠席数 出席率 メークアップ
8 月 3 日 38名 29名 9名 76.32% 7名
7 月27日 38名 31名 7名 81.58% 1名
7 月20日 38名 30名 8名 78.95% 1名