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第1275回<今年度第14回>2018年10月12日(金)


 会長の時間
会長 : 木元 愼一

 ロータリーは,どのようにして「物質的互恵」から脱却することができたのでしょうか。
 1905年から1913年ころのアメリカのシカゴやニューヨークなど大都会では自動車産業の発展を背景とした大量生産・大量消費時代の幕開けの時代でした。
アメリカの大都会には,世界大戦前の不安定で騒然としたヨーロッパの国々とは違い,アメリカンドリームを地で行く成功例が巷に溢れており,成功するためには法に触れない限り何をやっても許される,成功した者が正しいという無茶苦茶な論理が横行していた時代です。
 これまでに何回かお話したシェルドンは,ミシガン大学の修士課程をトップで修了した経営学・販売学という学問のパイオニア的な存在でした。ポール・ハリスは,シェルドンの思想を拠り所として,物質的互恵から精神的互恵へ徐々に転換しようとしましたが,一朝一夕に達成できたものではなく,1912年になってやっと物質的互恵から脱却することができたと言われております。また,「精神的互恵」というと,精神の安定とか経営哲学とかを想像しがちですが,ロータリークラブの会員の会社経営上の相談による利益が中心です。
 シカゴクラブの会員が持っていた情報は膨大なもので,情報を共有することで,会社経営上優位に立つことができたり,会社経営のノウハウを伝授して貰ったりというように「精神的互恵」の内容は,会社経営上の利益になるものが多く,極めて実利的なものでした。この「精神的互恵」の基礎が職業奉仕なのです。ロータリークラブの会員は,会員相互の物資的互恵取引による利益を目的として入会するのではなく,入会した後の精神的互恵により自分が経営する企業が取引先,顧客,従業員や地域の人々から支持されるようになることによって,経営上の利益を享受することを目的としたのです。その後,職業奉仕を解りやすくした実践的な規範として「ロータリー倫理訓」,「四つのテスト」などが生み出されたのです。
 ロータリークラブの会員は,クラブ内での物質的互恵取引による利益よりもはるかに発展性に富んだクラブ外の取引社会での優位性を約束する実践的な規範を獲得し,それを実践することにより,経済的な利益を獲得することができたのです。現実に,職業奉仕理念に基づく企業経営をしたロータリークラブの会員が経営する多くの企業は,他の企業に比較して,時間はかかっても,次第に,取引先,顧客,従業員や地域の人々から支持されるようになり,企業の利益も増大した例が多かったと言われております。
 このように職業奉仕理念を導入することにより,「物質的互恵」に代わって「精神的互恵」が導入されたのですが,当初は,「物質的互恵取引」による利益に拘っていたロータリークラブの会員も,職業奉仕理念を基盤とした企業経営をするロータリークラブの会員の企業が継続的に発展している実証例を見て,職業奉仕理念に賛同したのです。ロータリークラブの会員が他の会員の経営方法を見習い,それが,ロータリークラブの会員ではない者が経営する他の企業にも波及すれば,業界全体の職業倫理の高揚に繋がるものであることをシェルドンが提唱したのです。


 《 体験入会 》


  秋田青年会議所「秋田醸し祭り2018」
  実行委員長 森澤 康彦 様



 新会員スピーチ
岡村 康城 会員
 ただいま、ご紹介いただきました、『あいおいニッセイ同和損害保険』の『岡村』でございます。本日は、皆さま方の貴重な、お時間を頂戴し、この様な機会をいただけた事を感謝いたします。
 また、大阪北部地震、西日本豪雨、台風21号、24号、北海道胆振地震等にて被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
 さて、本日のスピーチテーマでございますが、今年度の自然災害の被害を考えますと、皆さまには、『BCP』というテーマでお話しをさせていただくことが、損害保険業界に居ります自分といたしましては、一番良いかと思い、『自然災害(地震)』を中心として『BCP』についてお話しさせていただければと思います。
 私は、本年4月に名古屋から秋田に転勤して参りました。秋田県は災害が少ない地域であると聞いて着任いたしましたが、地震だけを取り上げましても、秋田県には過去かなりの災害がございましたのでご報告させて頂きます。
 1804年の象潟地震の時には津波被害が相当記録されております。また、内陸型の地震である、1896年陸羽地震では、死者209名、建物全壊5682戸、山崩れ9899ヶ所、1914年仙北地震では死者94名、建物全壊640戸と記録されております。記憶に新しいところでは、1983年の日本海中部地震で死者104名、建物全壊696戸となっております。
 また、秋田県の地震災害で考えなければいけないのが雪害対策です。屋根の上の雪が残っておりますと、建物の倒壊確率が何倍にもなるとの事であり、弊社は秋田県生活環境部様からは、除排雪事故防止の啓蒙活動の依頼をされております。
 本日お見えの皆様は、企業経営をされているかと思います。東北の皆様に、東日本大震災の話をするのは、非常に恐縮ではございますが、ここで宮城県石巻市立大川小学校の訴訟判決と、そこから得られる事業継続計画に反映させるべきポイントについてご案内したいと思います。
 大川小学校では、児童76名と教員11名のうち児童72名と教員10名がお亡くなりなっています。今回児童23名の遺族が学校側に対して損害賠償を求める訴訟を起しました。
 注目すべきポイントは、①学校側が平時において事前に児童の生命・身体の安全をほごすべき義務を懈怠したか否か、および②学校側が地震発生後の津波来襲により児童の生命・身体が損なわれる具体的危険を予見し、これを前提として児童を高所に避難誘導すべき結果回避義務を懈怠したか否かという2点の争点がどう判断されたかです。判決詳細につきましては配布資料をご覧下さい。
 大川小学校津波訴訟等の判決から、特に事業継続計画に反映させる事が必要なポイントは、以下の①~⑤になります。
①災害後の情報収集体制の確立とそのための最低限の設備
②収集した情報に基づく円滑・的確な判断と立場に応じた行動が出来る人材
③現場の判断権者の不在を回避するための自動的な権限委譲ルール
④組織図・指揮命令系統への権限委譲の具体的な反映と残された者の行動指針
⑤以上の危機管理マニュアルへの記述、周知、訓練での参照
各項目の詳細については、今回お話し致しませんが、皆様の企業のBCP作成や見直し時に、本日お配りした資料を参考にしていただけたらと思います。
 また、本日は当社の自動車保険のCMを実施していただいている岡田准一さんのクリアファイルをお配りさせていただきました。今年度、トヨタ自動車と共同開発をし、2018年度グッドデザイン賞を受賞した自動車保険です。自動車の運転挙動を保険料に反映させた自動車保険となっております。ご興味のある方は、トヨタ販売店及び弊社代理店までお問い合わせいただけたら幸いです。
 本日は、皆様の貴重なお時間を使わせていただき、ありがとうございました。今後とも、よろしくお願いいたします。



 幹事報告

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ガバナー事務所
 ・「会員増強」アンケート(10月26日まで回答)
お知らせ
10月19日(金)は例会変更「秋を食する例会」となっておりますので、
 お昼の例会はございませんのでご注意ください。
 『秋を食する例会』
  開催時間;18:30~ 開催場所;ペペロンチーノ
10月26日(金)は休会です。



【出席報告】
例会日 会員数 出席数 欠席数 出席率 メークアップ
10月12日 39名 32名 7名 82.05% 10名
10月 5 日 39名 32名 7名 82.05% 1名
9 月28日 39名 32名 7名 82.05% 0名