裁判所庁舎の建替
今年の4月から,秋田地方裁判所・仙台高等裁判所秋田支部等の庁舎の建替のための工事が始まります。今年中に,現在の庁舎の西側の秋田市文化会館との間にある駐車場に2階建ての仮庁舎を建設して,現在の庁舎から移転した後に,現在の庁舎を取り壊して,現在の庁舎が建っている敷地に地上6階地下1階の庁舎を建築しようという全体で5年がかりの計画です。
現在の裁判所の庁舎は,昭和43年4月に現在の場所に移転しました。元の裁判所の庁舎は,現在のキャッスルホテルの場所にあった赤レンガの建物でした。県庁や市役所が山王地区に移転することに伴い,老朽化した裁判所の庁舎の建替が必要となって,現在の場所に移転したものです。
最近の裁判所の庁舎の建築では,東京地裁立川支部の新築があります。以前は,東京都の多摩地区には,八王子支部があったのですが,周囲が市街地で庁舎の建替工事に費用が掛かりすぎることから,立川に移転して,8階建ての庁舎を建築しました。
裁判所の庁舎の階数には,一定の原則があります。それは,地方裁判所の本庁庁舎の階数は原則として4階までで,高等裁判所の本庁がある庁舎はその制約を受けず,10階~15階の庁舎が多いということです。仙台高等裁判所の本庁と仙台地方裁判所の本庁がある庁舎は8階建てです。現在の秋田地裁の庁舎は,5階建てですが,これは,仙台高等裁判所秋田支部があるからです。都市の規模が秋田市よりも大きな新潟地裁の庁舎は4階建てです。
また,裁判所支部の庁舎にも,同様な原則があります。合議事件を扱う支部の庁舎は3階建てです。秋田県では,大館支部,大曲支部,横手支部の庁舎がいずれも3階建てで,16,7年前には,庁舎の外付けでエレベーターが設置されました。
その他の能代,本荘支部の庁舎は2階建てです。
現在の裁判所の庁舎がある土地は,粘土質で硬い岩盤まで30メートルもあり,杭打ち作業だけでも大変なことが予想されます。耐震構造をもった頑丈な庁舎を建築するためにはやむを得ないこととではありますが,工事のために裁判所に来られる方のための駐車場のスペースが10数台程度しかなく,不便をかけることになりますが,よろしくお願いいたします。